医院名 |
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三光クリニック 蒲田駅前院 |
院長 |
崔 仁煥 |
住所 |
〒144-0051 東京都大田区西蒲田8丁目1-5 東急西蒲田ビル202 |
診療科目 |
内科、消化器内科、内視鏡内科 |
電話番号 |
03-6424-5368 |
血液検査で尿酸値が7.0mg/dLを越えるものが高尿酸血症と診断されます。
高尿酸血症が長く続くと、痛風や尿路結石といった激痛を伴う疾患になりやすくなります。日本の高尿酸血症の患者数は500万人以上いるとされ、痛風患者の約10倍以上です。その7割程度にメタボリックシンドロームが絡んでいるとも言われています。
血清尿酸値の高い人は心血管障害や脳血管障害の可能性が他の人より高い事がわかっています。これを防ぐためには尿酸値以外の動脈硬化のリスク因子にも注意する必要があります。
体内で産生する尿酸と排泄する尿酸のバランスが崩れると、血中の尿酸値が上昇します。このバランスを崩す原因としては、栄養の過剰摂取やアルコールの飲み過ぎ、精神的なストレス、肥満、運動不足などが考えられます。また、高尿酸血症・痛風患者さんの20%は親や兄弟に高尿酸血症や痛風の人がいることから、遺伝的な要因も考えられます。
近年、利尿効果のある高血圧の薬によって高尿酸血症になる方が多くなっています。血圧の薬を飲んでいる方は定期的な血液検査が必要です。
尿酸の高い状態が続くと、関節や腎臓に尿酸結晶が沈着し、痛風発作や腎障害の原因となりますから、自覚症状がないからといって長期間放置することは出来ません。
痛風は尿酸の結晶が関節にたまって、激しい関節炎を伴う病気です。
「風が吹いても痛む」というほど大変な病気です。
特に足の親指の外側のつけ根(中足趾関節)付近によく起こり、初発で約5割、再発で約9割の頻度となります。
突然赤く腫れて痛みだし、一晩で激痛により歩けなくなり、1週間くらいで自然に治ってしまうという経過をとります。
痛風発作が治っても高尿酸の状態自体を治療しなければ、発作は頻回に起きてしまいます。
ただ、高尿酸血症があってもすぐに痛風発作が起きるわけではなく、無症状で経過することもあります。
痛風発作が出現する時期にはすでに腎機能も低下しており、血清尿酸値が高いほど腎機能低下が強く現れます。高尿酸血症を長く放置すると痛風腎といって腎不全に陥ることもあります。
高尿酸血症では、尿の中で尿酸が結晶となり尿路に結石ができます。尿路結石があると、突然の腰背部の激痛と血尿が出ます。
腎臓にできた尿酸の石はレントゲンでは見えないので、超音波検査により診断します。
高尿酸血症の治療は、まずは生活習慣の改善です。
高尿酸血症の方は、自覚症状がなくても糖尿病や脂質異常症といった他の病気の予備群であることが少なくありません。薬で尿酸値を下げても糖尿病や脂質異常症を防ぐことは出来ません。
痛風や高尿酸血症の発症は、生活習慣や食生活だけの問題ではなく、病気や薬(利尿薬や喘息薬など)の服用によっても尿酸値が上がる事があります。また、DNA・RNAなどの核酸を大量に含んだ健康食品にも尿酸値を上げる働きがあります。高尿酸血症は痛風をはじめとする痛みを伴う辛い病気の始まりです。定期的に健康診断を受診し、早期発見と治療を行い、医師の指導にしたがって食事や運動など生活改善を行う事が大切です。
この病気は予防としての食事療法が重要です。
具体的には、プリン体を多量に含む食品を避けること、肥満、過食をあらためること、および多量の飲酒(とくにビール)を控えることです。
プリン体が多い食品には、レバー/あん肝などの肝臓、うに/白子などの卵巣や精巣、かにみそなどの内臓、いくらなどの魚卵があげられます。
高尿酸血症には尿酸排泄低下タイプ、尿酸産生過剰タイプ、混合型の3つのタイプがあります。
どのような原因で尿酸が高いのかを見極め、その病型にあった治療薬を選択します。
排泄低下タイプには尿酸排泄促進薬、産生過剰タイプには生成抑制薬を使用するのが原則となっています。また、尿酸排泄促進薬を使用すると尿中の尿酸が増え、尿路結石のリスクが高まります。よってもともと尿中排泄量の多い産生過剰タイプに使用すると、尿路結石のリスクはますます高くなってしまうので、これらの薬の選定と使用は十分な検査に基づいて慎重に行い、必ず医師の指導に従って正しく服用する必要があります。