医院名 |
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三光クリニック 蒲田駅前院 |
院長 |
崔 仁煥 |
住所 |
〒144-0051 東京都大田区西蒲田8丁目1-5 東急西蒲田ビル202 |
診療科目 |
内科、消化器内科、内視鏡内科 |
電話番号 |
03-6424-5368 |
大腸内視鏡検査の一番の目的は大腸がんやその前がん病変である大腸ポリープの診断・治療です。
食生活の欧米化などにより、日本における大腸がん罹患者数は増加傾向にあります。2022年の部位別がん死亡数において、大腸がんは男性の2位、女性の1位でした。
一方で診断・治療の進歩で死亡率は低下しています。大腸がんの病期は0からIVまで5段階がありますが、Iまでであれば5年生存率が95% 、IIIまででも5年生存率が約80%です。すなわち、適切に大腸内視鏡検査を受ければ、早期の発見で死亡率の低下が見込めます。
また、大腸がんのほとんどは、良性腫瘍である大腸ポリープが原因と考えられています。このため、大腸ポリープが見つかった段階で切除することで、将来の大腸がんを予防できます。逆に、進行がんになってしまうと、転移するため注意が必要です。大腸ポリープから大腸がんに進行するには時間がかかります。そのため、定期的に大腸内視鏡検査による早期発見が非常に重要です。
大腸内視鏡検査のもう一つの目的は、近年著しく増加している潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患の診断です。また、便秘や過敏性腸症候群などでは、がんや炎症を否定するためにも大腸内視鏡検査が必要です。
死亡率も罹患率も高い大腸がん、しかし早期発見で9割以上は治る
大腸がんは、初期に治療すれば5年生存率が95%を超えるものの、進行すればガクンと急降下し、20%を切ってしまいます。
(がん診療連携拠点病院等院内がん登録生存率集計 生存率報告書より)
近年、大腸がんにより死亡数が大幅に上昇しています
2023年予測がん死亡数 | 大腸がん |
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女性・・・1位
男性・・・2位
大腸がんは増え続けています。
この20年で死亡者数は2倍に増加、女性のがん死亡原因では第1位になっています。
大腸がんは、最も多い癌です(男女計)
部位 | 人数 | |
1位 | 大腸 | 161,100人 |
2位 | 肺 | 132,000人 |
3位 | 胃 | 129,900人 |
2023年 がん罹患数予測 (男女計)
出典 国立研究開発法人 国立がん研究センター
2023年のがん罹患数、死亡数予測
大腸がんの80%以上は、ポリープが大きくなることにより発生します。しかし、ポリープや早期がんの段階では症状はありません。排便異常、腹痛、下血などの症状を自覚した段階では、すでに進行がんになっていることが多く、ほとんどが手遅れの状態です。そのため、早い段階から大腸カメラを行って、ポリープが癌にならないうちに摘出することをお勧めします。開腹手術を回避するためにも、なるべく早い段階で大腸内視鏡検査を受けましょう。
大腸がんは、定期的に検査を受けて
早期発見・早期治療ができれば
95%が治る病気です
それぞれの場合の5年生存率(診断後5年間生存している割合)に大きな差があります
出典 厚生労働省がん研究助成金 地域がん登録精度向上と活用に関する研究、H19年度報告書
便潜血検査が陰性だからといって安心はできません。なぜなら、便潜血検査では、15.6%の大腸がんが見逃されてしまうからです。しかも、見逃された大腸がんのほとんどは、症状がないため、そのまま経過してしまいます。大腸内視鏡検査を受けることにより、はじめて安心できる状態となります。
米国では、大腸内視鏡検査の受診率増加により、50歳以上の大腸がんの罹患率が32%減少し、大腸がんによる死亡数も34%減少しました。これは、大腸内視鏡検査による大腸ポリープの発見・除去により、がんを予防できるようになったためであると、米国がん協会(ACS)が発表しました。
「大腸内視鏡検査を受けた人」と「受けなかった人」88,902 例を、22年にわたりを追跡調査した結果がNew England Journal of Medicine 誌に掲載され、「大腸内視鏡検査を受けた人」の大腸癌発生の危険率は、「受けなかった人」の 0.44~0.57 倍でありました。大腸内視鏡検査により、がんになる前のポリープの段階で治療が可能となり、大腸がんを予防できるようになったことが改めて確認されています。
たった1回の大腸内視鏡検査により、大腸がんによる死亡率が41%減少し、その効果は10年以上持続することが医学雑誌「Lancet 」に報告されています。
女性のがん死亡率では大腸がんが第1位です。これは女性特有の羞恥心により大腸内視鏡検査(大腸カメラ検査)を敬遠している結果とも言えます。大腸がんは早期に発見できれば内視鏡で治療可能ですし、ほぼ100%完治します。大腸内視鏡検査(大腸カメラ検査)によって助かる命がたくさんあります。
がんの予防は、1次予防と2次予防に分けられます。
大腸がんの1次予防は、食生活の改善(肉を控えめにして野菜を多く摂るなど)や運動(1日20分以上のウォーキングなど)が挙げられます。
2次予防は、大腸内視鏡検査や便潜血検査を受けることです。
大腸内視鏡検査をうけてポリープを切除することが大腸がん予防に最も有効な手段です。
男性 2位 28,700人 | 女性 1位 25,600人 | 男女 計
54,400人 |
2023年 部位別予測がん死亡数
出典 国立研究開発法人 国立がん研究センター
2023年のがん罹患数、死亡数予測
資料:国立がん研究センターがん対策情報センター
便潜血反応をきっかけに大腸内視鏡検査を行う場合は、なんらかの症状をきっかけに行う場合とくらべて、大腸がんをより早期の段階で発見できることが示されています。
便潜血検査 ⇒ 大腸内視鏡検査 | 症状 ⇒ 大腸内視鏡検査 | |
stage 1 | 48% | 17% |
stage 4 | 6% | 26% |
また、便潜血反応をきっかけに大腸内視鏡検査を行った群では、大腸癌による死亡率の低下が30年後まで持続するという研究結果が New England Journal of Medicine 誌に掲載されています。
ただし、便潜血検査の大腸がん見逃し率は15.6%であり、便潜血反応が陰性だからといって、必ずしも安心はできません。
大腸がんは初期の段階では症状がほとんどありませんが、以下のようなサインが現れた場合は、がんを疑って、大腸内視鏡検査を受けましょう。
一般に、大腸がんの危険因子は以下の通りです。
検査でわかる主な疾患