大腸内視鏡検査のエビデンス

大腸内視鏡下ポリープ切除による大腸がん死亡率の低下

大腸内視鏡下のポリープ切除により、大腸がんによる死亡率が53%低下することが、

New England Journal of Medicine誌に掲載されています。

1回の大腸内視鏡検査による大腸がんの予防効果

55 歳と 64 歳の間に1 回の大腸内視鏡検査を実施することにより、大腸がんの発生率および死亡率が著しく低下することが、Lancet 誌に掲載 されています。11.2 年間の経過観察期間において、大腸癌の発生率は43%、死亡率は33%減少していました。

1回の大腸内視鏡検査で長期に持続する死亡率の低下

1回の大腸内視鏡検査により、大腸がんの発生率が35%減少、死亡率は41%減少し、その効果が、検査後17年目まで確認されたことが、Lancet 誌に報告されています。

大腸内視鏡検査による大腸がん死亡の減少効果は米国でも

米国では、大腸内視鏡検査の受診率増加により、50 歳以上の大腸がん罹患率が 32%減少し、大腸がん死亡数も 34%減少したことが、米国がん協会(ACS)より発表されています。米国では、大腸がんのスクリーニングを、便潜血検査ではなく、大腸内視鏡検査により行っています。

大腸内視鏡検査を反復して行う効果

大腸内視鏡の反復検査が単回検査と比較して有効かどうかを検証した結果が、「Journal of the Natioal Cancer Institute」 誌に報告されています。大腸内視鏡の反復検査により、大腸癌・進行腺腫(悪性度の高いポリープ)の発見が、女性で 1/4、男性で 1/3 増加 しました。発見癌は、80%以上が stage I・II で ありました。

大腸内視鏡検査は症状がないときに行うのが肝要

大腸内視鏡検査により、原発性大腸がんと診断され手術を受けた 1809 例の調査結果、 なんらかの症状発現後に大腸内視鏡検査を施行した群では、症状発現前に施行した群と比べて、がんが進行しており(AJCC 分類 I 期の割合 15% vs 53%)、その後の生存率も低いことが判明(P<0.001)、Surg Endosc 誌に報告されました。

「大腸内視鏡検査で異常なし」の10 年後大腸がんリスク

大腸内視鏡によるスクリーニングで異常なしと判定された人は、検査後10 年以降も、大腸癌発症と死亡のリスクが低かったする研究結果がJAMA Intern Med 誌に掲載されました。大腸内視鏡スクリーニング陰性群の大腸癌発症リスクは、1 年目が 0.05、10 年目は 0.54。大腸癌死亡は、1 年目が 0.04、10 年 目は 0.12 でありました。

無症状が症状の大腸がん、40代以上の「大腸内視鏡検査」は必須

大腸がんは早期発見すれば完治率90%以上ですが、ほとんど初期症状がなく、がんがかなり進行した後になって自覚症状が現れます。普段症状がなくても40歳以降、家族歴、喫煙と飲み過ぎなど、高危険群に属するなら、「大腸内視鏡検査」が必ず必要です。

大腸内視鏡検査が必要な便秘とは

大腸内視鏡検査が必要となる便秘は以下の通りです。 

・便に血液が混じる 

・体重減少 

・数カ月以内の発症や悪化 

・大腸腫瘍の家族歴があるもの 

・50 歳以上 

・貧血

大腸ポリープの家族歴がある人は大腸内視鏡検査が推奨されます

大腸ポリープ患者の第一度近親者の大腸がん(CRC)リスクは1.40倍で、ポリープのある第一度近親者数が多いほど、またポリープの診断年齢が低いほどリスクが高いことがBMJ誌に報告されました。ポリープと大腸がんがある第一度近親者が2人以上いる場合、リスクは5.00倍まで上昇しました。

S状結腸までの大腸内視鏡検査でも大腸がんリスクが大幅源

S状結腸内視鏡1回の実施により、大腸がんの発症が33%、死亡が39%低下することが、Ann Intern Med誌に報告されました。追跡期間中央値は、15~18年。大腸内視鏡の有用性が改めて確認されました。

増加する若年性大腸がんに対し大腸内視鏡検査の推奨年齢を引き下げ

 世界中のさまざまな国で増加が報告されている若年性大腸がんの発症に、赤肉やアルコールの摂取量の多さなどが関係していることを示唆するデータが報告され、「JNCI Cancer Spectrum」誌に掲載されました。

 50歳に至る前に発症する大腸がんは「若年性大腸がん」と呼ばれ、近年増加にあります。

 米国予防医学専門委員会は、大腸内視鏡検査によるスクリーニングの推奨年齢を50歳から45歳に引き下げると発表しました。

高身長の成人は大腸内視鏡検査が推奨されます

 身長の高い成人は身長の低い成人より、大腸がんや大腸ポリープを発症するリスクが高いことが「Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention」誌に掲載されました。

 研究の結果、リスクは、最大24%高いことが示されました。高身長は、喫煙、飲酒、加工赤肉の多量摂取などと同様に、大腸がんリスクの1つとなりますので大腸内視鏡検査が推奨されます。

肥満の人は大腸内視鏡検査が推奨されます

20歳時点でBMIが25未満だった人では、体重が3kg/5年以上増加していた場合、体重変化のない群に比較し、大腸ポリープ(腺腫)の発生が27%高い結果となり、「JNCI Cancer Spectrum」に報告されました。肥満に人は、大腸内視鏡検査が推奨されます。

高血圧の人は大腸内視鏡検査が推奨されます

高血圧のある人は大腸がんを発症するリスクが高いことが明らかになり、J Am Heart Assoc誌に報告されました。収縮期血圧が140mmHg以上、または、拡張期血圧が90mmHg以上の、未治療の高血圧がある人の大腸がん発症リスクは、血圧が正常な人に比べて17%上昇していました。高血圧の人は、大腸内視鏡検査が推奨されます。